ぶつぶつと麻疹と風疹

9~10月。園児さんを中心に頬や体に発疹が出る子が続き、登園後に「診てもらってきてください」と園から促されクリニックに直行する子も多く見られました。

どの子も発疹以外の症状は軽微で、何らかのウイルス性発疹症と思われます。

近隣地域で麻疹や風疹の報告が続いたこともあり、受付ではMRワクチン(麻疹風疹)の接種歴や、2〜3週間以内の該当地域へのお出掛けについても確認をしています。

 

麻疹は、発症者ひとりから12~18人にうつる、とても感染力が強い病気です。

  • 症状が出るのは感染してから約10日後
  • 発熱・咳・鼻水・めやに
  • 発熱3~4日後に赤い発疹・口の中に特有の白いぶつぶつ
  • 高熱は7~10日続く

肺炎や脳炎の合併が多く、世界で5歳以下で亡くなった子どもの12%(2015)は麻疹が原因でした。 

9月に静岡でタイからの帰国者が発症し、国内の飛行機や新幹線の利用日時・駅名・便名が公表されました。今月10/3には、富士でも報告があり9/23~10/2に富士市内及び静岡市内の商業施設等を利用した人に注意喚起がされました。

当クリニック受付では「高熱」「発疹」「目の充血」「ひどい咳」などの症状がある場合には、周囲の流行や他の症状をお聞きした上で、診察の順番までお車や自宅でお待ちいただいたり、お部屋を分けて診察をさせていただく対応を日頃からしていますが、更に河津で報告があったことに留意しています。

毎日情報をチェックしていますが、今のところ続報はありません。

風疹は、発症者ひとりから5~7人にうつります。

  • 症状が出るのは感染してから2~3週間後
  • 発熱・首のリンパの腫れ・赤い発疹
  • 熱が出ないこともある

9月の「静岡県内~風疹増えています」以降、おとなの接種について何件かご相談を受けました。

子どもの頃にかかったかどうかの記憶よりは、母子手帳で妊娠初期の検査結果を確認することをお勧めしていますが、医院病院によって、該当欄に記載をしてくれたり、画像のように欄外に記載してくれたり、検査結果を伝票で渡されたりと色々です。

参考までに「Rubella」が風疹です。

 

国立感染症研究所の追跡調査によると、2012~13年にかけての風疹の流行で、先天性風疹症候群を持って生まれたbabyは全国で45人、このうち24%に当たる11人が心臓の病気や肺炎などのため、生後1年余りまでに死亡していたことがわかりました。

 

妊娠を望む人を含め、予防接種を受けることでしか防ぐことが出来ません。